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「あ、どうだった湯加減?」
「ちょっと冷めぎみ…だったかな…」
部屋に戻ると広美さんが聞いてきてママが答えた。私はすぐ新一がいる所に向かった。
「おい。冷めぎみって体冷えてねぇか?あと髪ちゃんと拭いたか?」
「大丈夫!髪はママが拭いてくれたから!それより新一に話があるの!おじさんの傷の事なんだけど…」
「きゃあああぁぁぁ!」
言いかけたところで悲鳴が聞こえた。広美さんの声だろうか。ママが急いで廊下に出た。私達も後を追いかけると広美さんが指をさして座り込んでいた。
「どーしたの広美!?」
「い、今サングラスをかけた変な人が裏木戸から外に…」
「それって…」
新一が見た人?と思って下を見ると、どうやらそうらしい。新一の表情が険しいから。
「ん?ねえ、あの桶、おかしくない?」
「え?」
新一が指さす先には井戸。よく見ると井戸の桶が上がっていた。
何かがひっかかってるようで、秀和さんと義行さんが、紐を引っ張ってあげていく。すると、
「お、お義母様!?」
出てきたのはびしょ濡れになった真知子さんの姿。急いで降ろすが手遅れだった。
「ど、どうしてこんな…」
「まさか井戸に身を投げてジサツを…」
「いや、胸に刃物で刺した跡がある!死因はこれだよ!」
「ねえ、ポケットに何か入ってる…」
「本当だ。なんだ?
こ、これは…姫椿!!」
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作者名:ウォーカー | 作成日時:2018年2月28日 14時