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「それにしても全然姿を見せないな、オーナー」
参加者全員夕食を食べ終えてもオーナーは姿を現さない。
時計を見ると21時25分。難問クイズもあるはずなのに…。オーナーが来ないから採点も始まらないし。
「早くオーナーを呼んでこのテストの採点を始めてちょうだいよ!」
「で、でも…、私はだんな様が夕食後にここにおいでになるまで、お客様をもてなすようにいわれてますので…」
綾子さんに言われメイドさんは困った。突然現れて私達の意表をつく、と笑ってるが、どうなんだろ。
それに、あの服部っていう人、新一が居ないからつまらなさそうだし。
「おいA?」
「ううん。なんでもないよ」
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あの後ずっと待ち続けてもう日付けが変わった、0時4分。流石に遅すぎる。
「くそっもう我慢ならん!!部屋で休ませてもらう!!一日がかりでこんなテスト受けさせやがって!!」
「お、お客様…」
藤沢さんは机を叩いて立ち上がった。相当頭にきてるのか、渡されたテストをビリビリに破いてしまった。
「やっぱりウワサは本当だったわね…。クイズの賞品にあの初版本を進呈するなんて真っ赤なウソ!毎回、答えに難癖をつけて全問正解者を出さず!結局ホームズファンをここに集めてあの本を自慢するだけのツアー…」
戸田さんもそう言うと席を立ち、休むと言って出ていった。毛利さんも寝ると言って戻ってしまったし、残ってるのは私達三人と、戸叶さん、綾子さん、そして服部さんの六人。
でもいくら待ち続けてもオーナーは来ない。
時刻は3時24分。
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作者名:ウォーカー | 作成日時:2018年2月28日 14時