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「死後硬直はな、人間が死んでから40時間以上たたねーととけ始めねーんだよ!
だいいち、これはさっきおめーがいった事じゃ…」
「外気温が高ければどうや?
死体のまわりの温度が35度ぐらいなら、硬直の進行とやわらかくなるスピードは上がり、24から30時間程度で硬直はとけ始める…」
オーナーが姿を消したのが、一昨日の夜10時以降…その後すぐに殺されたとしたら、車が動き出したのは、約29時間後…。今朝の3時半頃だから、丁度いい頃合い…。
それにさっきの外気温の話。新一が気にしてた車の中で聞こえてた風の音は、クーラーじゃなくヒーター!毛布はヒーターの表示を見られないようにする為か…。
「だが、そんなトリック、後で死後硬直をちゃんと調べれば簡単に…」
「そっか、だからオーナーの死体を車ごとガケ下に転落させたんだ…。死体を回収不能にすれば調べられなくなるから!」
そして、車が勝手に動き出すのを誰かと部屋の中で見ていれば完璧なアリバイの出来上がり…。
あの時戸叶さんが綾子さんをリビングに引き止めたのは、一緒に車を目撃してくれる証人がほしかったから…。
「フフフ…おもしろい…。君の推理はまるで小説を読んでいるかのようだ…」
戸叶さんは笑ったあとそう言った。
戸叶さんが犯人なら、ガレージの件はどうなるんだろ。あの時戸叶さん、私達と部屋に居たし…。都合よく火をつける方法なんてあるの?
戸叶さんもその点が気になったようで服部さんに話していた。
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作者名:ウォーカー | 作成日時:2018年2月28日 14時