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服部さんの言葉に藤沢さんが激怒した。それを毛利さんが宥めている。
そして停電した時の状況をメイドさんに聞き、キッチンに向かうことになった。
「ホー、確かに焼けこげた跡がありますなー」
「原因はコレやな…。
コンセントに細い針金を巻いてたんや…。誰かがコレを差し込んだら、勝手にショートするようにな!」
服部さんがコンセントをハンカチで持って見ていた。細い針金…。あ、確かお中元に。
「針金はこれだと思います。お中元の包みのタグに付いてます」
「A。包みを開けた人、誰か覚えてるか?」
「確か、川津さんと戸叶さん」
針金の話をすると新一が聞いてきた。答えると新一は川津さんと戸叶さんを見た。
それを毛利さんも聞いてたのか毛利さんは犯人は川津さんだと言い出した。もちろん川津さんは否定した。
「あの時キッチンに行ったのは自分のほかにも四人…」
「バカヤロォ!いっしょに行った蘭にもAにもメイドさんにも戸叶さんにも、第一の事件の時のアリバイがちゃーんとあるんだよ!オーナーを乗せてガケから転落した車が動き出した時、リビングにいたというアリバイがな!!」
確かにあの時、川津さん以外はリビングに居た。だから第三の事件、藤沢さんを襲ったのは川津さんだと毛利さんは推理した。でも…何かひっかかるのか新一は顎に手を当てて考えている。
「なーんや知らんがひっかかってるんや…。なあボウズ」
服部さんが新一に話を振った。それに何の戸惑いもなく答えた。
「第一の事件や第二の事件とちがって、藤沢さんが襲われた第三の事件では、犯人はあからさまに証拠を残している…。もしかしたらこの第三の事件とは犯人にとって予想外の………え?」
ここまで話して漸く気づいた。蘭ちゃんや毛利さんは困惑している。
やばい…。私もそう思った時、新一は明るい声で言った。
「ってAねーちゃんが言ってたけど、ボク子どもだからチンプンカンプン…ぜーんぜんわかんないや!!」
と、私を出して逃れた。
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作者名:ウォーカー | 作成日時:2018年2月28日 14時