かげの制裁 (ページ18)

今日:48 hit、昨日:90 hit、合計:5,913 hit

③ ページ18

「《イーサン・本堂の遺体は、顎の下から撃たれていました。アレは口に付いた血に不審さを抱かせない為にイーサン・本堂がやった事ですね」》

手首を歯で噛み砕いたのはキールではなく、イーサン・本堂自身。そして娘に拳銃を握らせ、顎の下から撃った。

この男の狙いは、娘である本堂瑛海を組織の内部へ入り込ませる事。信頼されていた自分の存在を、スパイだったと告げさせる事でコードネームを与えさせた。

「《そこまでする理由が分かりませんね。私達はただ知らせているだけですよ？

こんな秘密を見つけました、気をつけてくださいね。と……》」

話し終えて様子を見た。バーボンもキールも最初は目を光らせていたのに、今は俯いているだけで何もせずに居た。

反論は無意味となると手なり足なり出して逃走をはかるだろう。降谷零はボクシングを、本堂瑛海もCIAの諜報員らしく動くと思ったが、こんな結果で終わるとは拍子抜けだ。

マイクのスイッチを切り、RUMに目を向けた。

「降谷零に家族または友人等の生存は確認出来ませんでしたが、本堂瑛海には弟の本堂瑛祐が居ます」

RUM「弟さんですか。キール(彼女)が我々の事を話しているとは思えませんが、1人残すのも可哀想ですね」

「そうですね。彼女の方も手伝ってきます」

RUM「そうしてあげなさい。
保証は出来ませんがね……」

RUMの言葉を聞きながら、彼女の元へ向かった。