6 ページ15
「A、組織の中で変装に長けてる者が居たな?」
「うん…。千の顔を持つ魔女 ベルモット…。
その人がパパに変装してこの家に来る…」
「シャロンがどうかした?」
「ママ!」
驚いた。いつの間に入ってきたんだろ…。
でもママがこの部屋に来たって事は概要を話し終えたんだろう。そして新一はどこまで分かってるかは知らないけど、ある程度は解けてるみたい。ママが「流石我が息子!」って上機嫌だから…。
「それじゃ後は新一と、来る人を騙す為に備えないとね…」
「あぁ…」
「そうね!見てなさいよー、シャロン!」
ママなんかちょっと楽しんでない…?鼻歌歌ってるんだけど…
ーーーーーーーーーーー
「おい、母さん…変装にいつまでかかってんだよ?」
その声と共にこの部屋をコンコンとノックする音が響いた。
それを合図にして私達は準備した。勿論、具合が悪い演技を…。
「早くしねぇとTV局のスタッフ来ちまうぞ?おいって…返事ぐらいしろよ…」
そう言うと新一は部屋の扉を開けた。
「ーーって母さん、A、大丈夫か!?」
「し…いち…」
「らいひょーぶ…ちょっとうたた寝してたらけ…」
私はパパが横になってるベッドに、ママは化粧台の上に、両腕を枕にして突っ伏している。
「お茶…用意…」
「ばか!ジッとしてろ!」
TV局の人が来たならお茶を出さないと、と立ち上がろうとしたら新一に止められた。
「ま、まさか母さんもAも父さんと同じ料理を食べたんじゃ…」
「食べらわよー…親子らもの…」
本当は食べてないけどね。
でも新一は信じてるみたいでその表情には焦りが見える。更にこのタイミングで焦りを加速させる出来事が…
ピンポーン
来客を告げる、インターホンが鳴った。
88人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ウォーカー | 作成日時:2023年6月5日 22時