工藤新一の兄弟 ２０

４ ページ11

｢まず貴方は、前日にあの部屋に泊まり天井に血しぶきと足跡を絵の具で描いて乾かし、その付箋を天井一面に貼って覆い隠しておきます…。もちろん次の日も喫煙部屋であるその部屋を予約するのを忘れずに…。
それと同時に他の喫煙部屋も全室予約しておいて、西木さんが予約の電話をかけたタイミングで絵の具の部屋をキャンセルすれば…西木さんをその部屋に宿泊させることができます｣


そして西木さんを刺殺した後、棒か何かで天井をなぞれば付箋は剥がれ落ち、その付箋を脚本にばらまいてごまかし、西木さんの血を注射器で吸い取り天井の血しぶきのような跡の中心に吹き付けた…って所だろうか。

手が混んでるよ、ほんと…。暗号にしても殺人にしても…。


｢天狗は…？僕の部屋に突然現れて燃えて消えたあの巨大な天狗は…何だっていうんだよ！？｣


あ、巨大天狗の事忘れてた。まぁ見たの新一と服部さんだったし…。私あの時まだ寝てたし…。……ちょっとだけ見たかったかも…。


｢みんなで出栗さんの漫画手伝うた時に唯一、使い物になったっちゅう、絵心があって器用なアンタなら作れるんとちゃうか？フラッシュペーパーで、あんぐらいのでっかい天狗をなァ…｣


フラッシュペーパー…。軽くて、ノリで天井に貼り付けられて、アルコール系インクで色を付けてたらタバコの火が触れただけで、あっという間に燃えてしまう物…。


｢あれ？じゃあ3cmのタバコのコゲ跡って…｣
｢あぁ、その証拠だよ…。
3cmという事は吸い始めてすぐに天狗に投げつけた事になる。つまり、あなたの悲鳴で僕達が駆け付けボーイが扉を開ける直前に、あなたはタバコに火をつけた…。天狗に驚いていてそんな余裕なかったはずなのにね…｣

,

５→←３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す