工藤新一の兄弟 ２０

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｢何してんねん？こんなトコで…｣


男は明るい顔して蘭ちゃんと話している。私は、口を開けたまま固まった。だって見た目が…。……なるほど、この人が沖田総司か。


｢な、なんや…？｣
｢Aちゃん？｣


ズイっと前に出て顔を見る。背格好、髪型、顔立ち…上から下まで全身を見て、うん、と頷いた。


｢似てない｣
｢はぁ？｣
｢似てない。全っ然似てない！新一の方がかっこいい！！｣
｢はぁ！？なんやねん急に…｣


顔をしっかり見たけど新一の方がかっこいい。蘭ちゃんあんな奴を新一と似てるって言ったの？新一の方がかっこいいよ！！…いや、ちょっと待てよ？


(蘭ちゃんは新一と長く会ってないから似てるって思い込んだだけかも。だって新一、自業自得で小さくなってるし…。新一がずっと傍に居るようになったら、｢あ、そんな似てないかも｣って気づくよ。うん)


｢なんやねん、あの子…｣
｢えーっとー…
あ、ちょっと来てもらっていい？｣


｢(でも新一を元に戻すには組織から薬のデータを貰わないといけなくて…でも中々組織に関する事件が来なくて思ったよりも長引いて)って…何してんの！？｣


考え込んでたら蘭ちゃんと沖田総司が2人きりで話していた。しかも2人共顔を赤らめてるし…。


｢何あれ｣
｢浮気よ浮気！新一君にメールしよ！｣


園子ちゃんが携帯を取り出して新一にメールを打ってる。打たれていく文章を横から見る。

件名に[妻の浮気現場だよん(ハート)]と打ち、本文に蘭ちゃんと沖田総司のツーショット写真を添付。


｢送信っと！｣
｢園子ちゃんが生き生きとしている…｣
｢まーね！｣


…これは新一、気になって推理どころじゃないかも…。

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