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「ここで質問です。私の記憶にある、眼鏡をかけて貴方に向かってホームズみたいだと話した人物は太閤名人である羽田秀吉さんで合ってますか?」
真っ直ぐ目を見て聞いた。するとフッ…と笑って
「あぁ…そうだ」
と言った。その言葉に安心とか、やっと解けた達成感とか底知れぬ喜びを感じた。
でも世良真純もこの人も言ってくれればいいのに…。
「貴方と妹さんはよく似てますね。性格は正反対ですけど」
「お前達程では無いさ」
そう言われて一瞬喜びそうになったけどハッとして、誰と誰のことですか?と返した。何が面白いのか、この人はまたフッ…と笑った。
「…何ですか」
「お前は知らないだろうが、そのボウヤに俺の正体はピエロだと言われたんだ」
「ピエロ?」
「あぁ…。あの時母親の手刀を目に受けて痣が出来てたんだ。俺も二、三発食らわしたがな」
「バイオレンスですね」
赤井さんの強さは知ってる。勿論、世良真純も…。で、赤井さんに手刀を入れた母親…。あれ?太閤名人だけ普通だ…。
「その目の痣と左手首に出来た痣、さらにその時交わしていた話の内容からサーカス団員の1人だと推理した。俺は3つの国を渡っていたし、目の痣は涙の化粧に見え、手首の痣はアコーディオンを弾いて出来た物だったからな」
サーカスのショーの途中、ピエロがよくアコーディオンを弾いている。サーカスにはクラウンという道化師もいるけど、縦に筋を入れて涙の化粧をするのはピエロだけ…。
……あ、これはヤバイ…。
「その後まぁ色々あったが…驚いたのは全てが解決した後…まさにボウヤと話している時だったな…」
「あの、赤井さん…」
その先は止めてくれと目で訴えたが、女の子が1人来てな…と赤井さんは話を続けた。止めてー…。
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作者名:ウォーカー | 作成日時:2018年6月1日 16時