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「パワースポット巡り?」
「はい。子ども達に誘われて…沖矢さんもどうです?」
子ども達に沖矢さんも行けないか聞いてくださいって言われたから聞いてみた。けど、多分答えは…
「いや、いい。お前だけ行ってこい」
「やっぱり…」
「『やっぱり』?何だ予想してたのか?」
「私思い出したんです。貴方を…いえ、貴方のご家族の事を」
言うと、飲んでたコーヒーを置いて聞く体勢に入った。
赤井さんに1番最初に出会ったのはニューヨークだと思っていた。…けど違った。本当は海水浴場だ。
「私が見たのは貴方が兄弟…新一の頭を撫でてる時です。その時貴方は『我が国が誇る名探偵の弟子なんだから』と言いました」
その言葉でイギリス人だと知った。それならお土産で頼んだ写真を気に入ってる事に納得がいく。
さらにその海水浴場では、世良真純の2番目の兄だと思われる人が赤井さんを見て『兄さん、まるでホームズみたいだったからね』と言っていた。その言葉に新一は違うと否定。『ホームズはもっともっと超スゲーんだぞ!!』とムキになって必死に言ってた。
でもその後の言葉を今でもこの人は覚えていた。
「『でもまぁ…ワトソンぐらいにはしといてやるよ…』」
あの時の新一は素直では無かったからそう言ったけど、今ではホームズみたいと言っても…いやそれでも、まあ近い存在ではあるかな?とか言いそうだ。
「その言葉に貴方は口を開けて大笑い。新一からDr.ワトソンと言われた事に誇りを持った…。
その後貴方の妹、世良真純に『魔法使いだね!』って言われましたよ。まぁ魔法使いの意味は、全然全くニコリとも笑わない貴方を笑かす事が出来たからって本人から聞きました」
そのせいで変に興味持たれて新一は今困ってる状態だからね、この人に当たっても構わないだろう。
因みに名前を聞いたのは魔法使いだねと言われた後。その時の姿とか真純という名前に『可愛いね、真純ちゃんって』と言ったのだ。
世良真純は覚えていた。出会ったあの日の事を。だから名前で呼んでくれって言ったけど、私は忘れていて…彼女には悪い事をしたな…。
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作者名:ウォーカー | 作成日時:2018年6月1日 16時