工藤新一の兄弟(仮)１６ (ページ40)

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「家の中に仕掛けられた盗聴器の類は無しと…」
「彼も車に乗って帰ったよ…」

確認して２階に上がる階段の所で、もういいぞ！と声をかけた。けど反応が無い。無事終わったし安心と疲れでグデー…としてるのかもしれない。
そう思って扉を開けたら、ちかれたー…と新一が机に突っ伏してグデー…としていた。

「ったく、打ち合わせ通りにやってくれよな？勝手に喋り出すから…バレるんじゃないかとヒヤヒヤもんだったぜ…」
「もういいじゃない。終わりよければすべて良しよ。パパもありがとう」
「上出来だったよ。助演男優賞を貰いたいぐらいだ」

パパは沖矢さんの顔を取ってそう言った。変装して欺く…。ベルモットとの波止場でもそうだったけど、やっぱこの作戦が１番有効よね。
パパが基本、マスクに仕込まれた変声機で安室透と喋っていた。
でもマスクを取れと言われたり、答えにくい質問をされた場合は二度咳払いする…。すると、この部屋でモニターを観ていた新一が、安室透の問いやそれに対応するパパの動きに合わせて俊敏かつスムーズに答えを予測し、変声機に内蔵されたスピーカーを通して答える。
そしてパパが喋りたくなったら一度咳払いをする。合図を咳払いにしたのは声の違いが分からないから。

「まぁ…この賞を最も与えたいのは今モニターの中で頑張ってる…彼女だろうけど…」
「背を高くする為にママが履いてるシークレットブーツ…履いたことあるけど足くじきそうになるし大変なんだよね、直ぐ脱いだのを覚えてるよ…」

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