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ジン達を騙せたのは博士のおかげだ。拳銃は空砲、それに合わせてニット帽から血ノリが吹き出す仕掛けを作ってくれるよう頼んだ。
でもカメラから得る映像じゃ血が本物か偽物か分からない…。死んだと思い込んでも無理はないのだ。
『じゃあそのグルの女に、頭に向けて空砲を撃ってくれと頼んでいたんですね?』
『いや…頭を撃てと命じたのは監視役の男…。予想していたんですよ…監視役の男が拳銃でとどめを刺す際に必ずそうすると…』
『なかなかやるじゃないですかその男…まるでスパイ小説の主人公のようだ…』
確かに出てきそう…。信頼されてるし銃の腕も一流だし、うわーまんま主人公だ…。
『だがこの計画を企てたのは別の人物…。その証拠にその男は撃たれた刹那にこう呟いている…『まさかここまでとはな…』ってね…』
赤井さん、そんな言葉を呟いてたの?普通に捉えれば自分の不運を嘆いてるようにしか聞こえないけど、これは違う。
『これにある言葉を加えると…その意味は一変する…。
まさかここまで…読んでいたとはな…。
…そう…この計画を企てたある少年を…称賛する言葉だったというわけですよ…』
…この人、本当に凄いな…。来葉峠の1件後、新一の周りに突然現れた人物を捜してここに辿り着いたらしいし…。
救いなのは新一の正体がバレてない事だけど、これだけ鋭いと時間の問題かもしれない…。
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作者名:ウォーカー | 作成日時:2018年6月1日 16時