探り合い ページ31
『では、まずは助演男優賞から…』
「あ、ジョニー・ビップさんだ…」
リビングでソファーに座りテレビを見てるとアカデミー賞が始まった。プレゼンターは昨年の受賞者ジョニー・ビップさん。
「楽しみだなぁー。最優秀脚本賞にパパがノミネートされるし…」
「嬉しそうですね、Aさん」
パパが出る!とはしゃいでると沖矢さんに言われた。風邪気味でマスクをしてるけど、優しい雰囲気が出てる…。大人しく座り直すとインターホンが鳴った。壁に付けてる電話に出ると宅配便だった。
玄関へ向かい出ると…
「こんばんは」
「えっと…宅配便のバイトもしてたんですか?」
「どうしました?」
リビングから沖矢さんが出てきた。そちらの方は?と聞かれて戸惑ってると、初めまして…安室透です…と名乗った。
「でも…初めましてじゃ、ありませんよね?
少し話をしたいんですが中に入っても構いませんか?」
「…いいですか?沖矢さん…」
振り向いて聞いた。
「ええ…あなた1人なら…。申し訳ありませんが、外で待たれてるお連れの方達はご遠慮願います…。お出しするティーカップの数が足りそうにないので…ね?Aさん」
「は、はい…」
よく見ないと気づかないけど、確かに人影が見えた。夜だけど、これご近所さんが見たら通報されるな…。
「ああ、すみません。気にしないでください…。彼らは外で待つのが好きなので…。
でも、あなたの返答や行動次第で…全員お邪魔する羽目になるかもしれませんけどね…。ご迷惑をかけないためにも答えてくださいますよね?」
そうニッコリ笑って安室透は家に入ってきた。
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作者名:ウォーカー | 作成日時:2018年6月1日 16時