工藤新一の兄弟(仮)１６ (ページ27)

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「でも何で『魔法使い』なの？」
「それは、君が笑わない人を笑わせたからさ！」

笑わない人…。多分あの時新一の頭に手を置いてた人だ。会った時グラサンをかけていて、確か目に痣があったっけ…。
で、新一にその事を聞いたら笑われて…その後ホームズの話になって流れでワトソンの話も出て…。あれ？あの時確か新一は………もしかして、これって…。

「あの人、ボクの兄なんだ！名前は赤井秀一！カッコイイだろ？」
「なら截拳道を教えたのも帽子を真似たって言うのも…」
「ああ、秀兄さ！」
「でも被ってたのニット帽…」
「秀兄の事知ってるのか！？」

口を滑らせた。世良真純は私の肩を掴んで、秀兄は死んだって聞いたんだけど、そうなのか？どうなんだ？！と聞いてきた。その目は、本当の事を教えてくれ、と言ってるようで…真っ直ぐで、純粋で…私はこの目が苦手だ…。

蘭ちゃんも同じ目を私に向けた事があるから。嫌でも思い出す…新一を想って聞いたのに私は嘘をついて騙した。

(世良真純も同じだ。兄である赤井さんの事が大切で、死んだなんて信じられないんだ…)

だけど真実は一つ…。

「…ごめん」

言うと世良真純は笑って、だよな…と呟いた。その後肩を強く掴んだ事を謝ってきた。私は、大丈夫、と返した。