工藤新一の兄弟(仮)１６ (ページ3)

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「く、くっついてる…何で？」
「そのプレートが強力な磁石になっているんですよ。
手品師がよく磁石の指輪で瓶の内側に鉄のコインを吸い付けて隠すのと同じです」
「なるほどな…。そのタイプの１００円ライターも点火部分が鉄で囲われてるから、くっついたのか…」

プレートが磁石でも宝石を取り付けられた亀が消えた謎には結びつかないだろう。だが、亀に付いていた宝石が全て合成ダイヤなら話は別だ。

「合成ダイヤ…？」
「それで何でプレートにくっつくの？」
「合成ダイヤを作る際に使う溶剤の中に含まれる鉄が、インクルージョンとして結晶中に取り込まれる場合があるの。
まぁ亀は水の中ですし磁力だけで固定するのは無理ですが、そのプレートの裏に引き寄せる程度はできたと思いますよ」

園子ちゃんと蘭ちゃんに合成ダイヤの事を聞かれて話、その後どうなったかは、新一が毛利さんに聞いた。

「ねーおじさん。ライターがどーなってるか教えてー！」
「ん？な、なんだこりゃ！？磁石だけじゃねぇ…プレートの裏側のガラス部分にベットリ粘着物が…。ここに亀がはまったら動けないかも…」

亀をそこに引き寄せた方法は餌。亀の餌に少々砂鉄を混ぜてプレートの裏側にくっつくように撒いておけば嗅覚が鋭敏な亀は、それを食べる為に水槽の底からガラスにそって浮上し…まんまとキッドの仕掛けた罠にはまったというわけ。