2 ページ12
リビングに行くと沖矢さんがソファーに座っていた。近づいて見るとイギリス土産の写真を見ていた。
「また見てるんですね。沖矢さん」
「Aさん。えぇ、このお土産はシャーロキアンにはとても嬉しい物です。ありがとうございます」
「お礼は蘭ちゃんに言ってください。撮ってきてくれたのは蘭ちゃんですから」
何枚もある写真から、シャーロック・ホームズの銅像を見つけた。この銅像の前で蘭ちゃんは芝の女王、ミネルバ・グラスさんに会ったって言ってたなー。
「沖矢さんってシャーロック・ホームズみたいですよね。殺しの事に詳しく冷静沈着。それに知性、観察力、推理力も凄いですし」
「いえ、僕が興味あるのは殺しではなく謎解きの方ですよ。
それに僕はホームズではなくDr.ワトソンですから」
「え?」
Dr.ワトソン?いや、この人はホームズでしょ。冷静だし推理力凄いし…。でもホームズじゃなくDr.ワトソン…。
『それくらいにはしといてやるよ…』
今の新一…?
突然脳裏に蘇った記憶。でも最近じゃない。もっと…ずっと前の…
「Aさん、見つめ過ぎです」
「あ、すみません!
…あの何故Dr.ワトソンなんですか?誰かに言われたとか?」
気になってそう聞くと、この人はフッ…と笑って
「さぁ…。どうでしょう…」
と言った。笑ったから答えてくれるんだって期待したのにこの人は…。
「それ答えになってないですからね。教えてくれないなら自力で解いてみせます」
「そうですか?では頑張ってください」
……何か楽しそうだなこの人。
バカにされた気がしたから絶対に解く!
32人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ウォーカー | 作成日時:2018年6月1日 16時