(前回の続き)5 ページ1
外からはキッドコールが聞こえてきた。多分キッドファンがこの状況を伝えたんだ。犯罪者の応援するなんて、何なの?
次郎吉さんの話だとカーペット、照明、水槽がここに展示される数日前に取り替えたらしい。だから紐を用意出来たのか…。その時来た内装業者の2人組は、恐らくキッドとその手下…。
「まぁ今回は儂らの負け!撤収じゃ!!どーせ彼奴はここから立ち去ってしまっ…たたた…」
「と見せかけて…まだこの展示場内にいるんじゃないのか?」
世良真純が次郎吉さんの頬をつねって話を止めた。
それに次郎吉さん、なんか変だ。いつもなら怒りで震えるのに今回はやけに諦めが早い。…何かあった…。あのカードに何か次郎吉さんにとって良くない事が書かれてたんじゃ…。
「何人かの組になってボディーチェック仕合うってのはどうだ?女の子の顔をつねるのはかわいそうだからさ…。キッドなら宝石付きの亀を今も持ってるはずだしな!
だよな!2人共!」
「う、うん…」
「そだね…」
話を急に振らないでほしい…。でも早く亀を見つけないといけないし、やるかボディーチェック。
「世良さん、ボディーチェックするよ」
「え?いいのか?ボクも君達の組に入っても…」
「いいわよん。隅から隅まで調べてあげるから!」
「じゃあ誰から始める?」
世良真純に声をかけボディーチェックをする事になったけど順番か…。無難に時計回りとか?
「だったら年の順でボクから調べてくれ!」
「年の順って、世良さん何月生まれなの?」
「っていうか何でわたし達の年、知ってるわけ?」
「探偵だからじゃない?」
けど分からないな…。キッドが誰に変装してるのか、亀ごと宝石を盗み出した、この2点の方法…。
カードの仕掛けは簡単だ。カードを丸めて水に溶ける紐で縛りその紐に結び付けた釣り糸をカードの中に通してその先に小石を付け、照明に吊るしてリモコンで落ちるように仕掛けておけば、落ちたカードは金網をすり抜け、水中で紐が溶けて開きカードのメッセージが見えるという仕掛け…。
カーペットに巻き込まれた私、園子ちゃん、世良真純、中森警部、毛利さん、そして元々水槽の前に居た機動隊員の誰かなら直接入れられただろうけど…カーペットが紐で吊るされる前に蘭ちゃん移動してたんだよね…。
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作者名:ウォーカー | 作成日時:2018年6月1日 16時