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「でもなんで対戦のラストでトドメを刺さなかったの?」
「あのまま負かしてたら誰かが死体に駆け寄った時勝ったはずの尾藤さんのゲーム画面に[YOU LOSE]の文字が出ちゃうからだよ」
「そっか!引き分けにすれば画面に出るのは[DRAW]!」
蘭ちゃんに聞かれ答えると園子ちゃんがピンッときたのか答えた。それに私は頷いて続けた。
「ドローなら即ゲームオーバーで尾藤さんが使ってたキャラクターが何なのかわからないまま…」
「凶器はどうした?
お嬢ちゃんの言う通りならどこかにあるはずだぜ。凶器の毒針か注射器がな…」
黙っていた志水さんが口を開いた。
正直ここから分からない。凶器は恐らく志水さんの手元から離れている。だからどこにあるのか…。
腕を後ろに組むと、待ってました、と言わんばかりに直ぐ私の声が聞こえた。
「凶器はもうあなたの手元から離れてる…。でも知ってましたか?問題のそれはあなたのそばを行ったり来たりしてるんですよ?」
え、そうなの?
自分の声で言ってるがこれは後ろにいる新一が蝶ネクタイ型変声機で出している私の声。後ろを見たり顔に出すとバレるからしないけど、そうなんだ、と心の中で思った。
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作者名:ウォーカー | 作成日時:2018年4月18日 19時