・ ページ8
車で迎えに来てくれて消毒をしに病院へ。
化膿もしてなくて順調だって。
顔だから長めに診て2週間位で抜糸できるみたい。
それから一緒に海斗のお家に帰って宿題してご飯をご馳走になった。
「今日は俺が送るから。自転車、Aんちに置いてるし。」
って。
30分程の距離を2人で並んで歩いた。
学校の事、友達の事、家族の事…。
いちいちリアクションが大きい海斗が面白くてついつい色んな話をしてしまう。
海風と波音を聞きながら歩く30分はあっという間で気づいたら家の前。
「送ってくれてありがとう。」
「おぅ!また明日の朝な。」
1人でも全然大丈夫なのに…。
「朝は1人でも大丈夫だよ?おでこで歩く訳じゃないし。」
「ははっ、なんだそれ?いいから明日ね。」
そう言って自転車で帰って行った。
・
家に入るとお兄はまだ帰ってなくてシーンと静まり返った部屋にさっきまでの温かさが恋しくなる。
「パパ、ママ、ただいま。」
小さな仏壇に手を合わせた。
お風呂入って寝よ。
お風呂から上がるとお兄が帰って来てて「ただいま。」ってにっこり。
だけど疲れてそう。
生活の為に自分を犠牲にして仕事頑張ってくれてて疲れてるはずなのに私の前ではいつも笑顔で、そんなお兄が大好きなんだ。
調子乗るから言わないけどね。
「あ、冷蔵庫に海斗のお母さんが作ってくれたおかず入ってるよ。食べる?」
「マジ?食べる!明日お礼言っといて。」
お兄も「うまっっ!」て。
「海斗のお母さん、料理上手だよね。毎日食べ過ぎて太りそうだよ。」
「育ち盛りなんだから食え食え!」
って言いながらお兄がもりもり食べてんじゃん(笑)
「もう寝るね。おやすみ。」
「おやすみ。」
部屋を暗くしてお布団に入るとパパとママの笑顔を思い出す。
パパ、ママ、会いたいよ。
海斗のお父さんとお母さんの優しい笑顔を見るとパパとママに会いたくなる。
320人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あや | 作成日時:2021年4月6日 22時