君と巡る季節 (ページ7)

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「Aおはよー。おでこどうしたの？」

話しかけて来たのは小学校からの友達の莉子。

「ちょっと転んじゃって。」

「Aって本当良く転ぶよね。修学旅行の時に全裸で脱衣所で盛大に転んでたの思い出した。」

って爆笑してる。

「もう、その記憶消して。(笑)」

こういう時は心配されるより笑ってくれた方が気が楽。
だから莉子が好きなんだ。

中学でも莉子と同じクラスで良かった。

そんな莉子と話してたら同じクラスだけどまだ話した事がない子から話しかけられた。

「玉田さん、今日なんで海斗と登校してたの？」

ザ、女子って感じの可愛い子で笑顔だけど目が笑ってない。

「ちょっと色々あって…。」

「色々って？」

ぐいぐい来る。

「あ、もう先生来るから席に着いた方がいいんじゃない？」

って莉子が間に入ってくれて席に戻っていった。

「あの子、仲田萌ちゃんって言うんだけど女子の中でもリーダー的な感じで強いから要注意だよ。」

って。

塾が一緒らしい。

「てか海斗って誰？後で教えてね。」

莉子も席に戻って行った。

・

お昼休み

莉子とお弁当を食べながら質問攻め。

「で、海斗って？」

「3組の男の子。昨日その子とぶつかっておでこ怪我しちゃったから心配して朝から来てくれたんだ。責任感じてるみたい。気にしなくていいのに。」

「へぇー、どんな子？」

「うーん…小さくて透き通る様に白くて優しくて可愛い子。」

「え、男の子だよね？」

「そうだよ？」

「説明だけだと女の子みたい(笑)見てみたいな。」

「そのうち会うんじゃない？」

なんて話してたら"そのうち"がすぐに来た。

放課後、教科書を鞄にしまってたら「あ、海斗。どうしたの？」って萌ちゃんの声。

教室の入り口を見ると私を見つけ「あ！A！行こう。」って。

隣にいる萌ちゃんの視線が怖い。

「あれが噂の海斗？確かに可愛い顔だね。萌ちゃんの顔怖い。気をつけなよ。」

莉子がコソッと耳打ちして帰って行った。

「海斗と玉田さんってどういう関係？」

って海斗に聞いている。

なんて答えるんだろ？

「友達だけど…悪い？」

そんな冷たい態度とか出来るんだ。

こんな海斗初めて見た。

って言っても知り合って2日目だけど。

「仲田さん、バイバイ。」

手を振ると引き攣った顔で手を振り返した仲田さん。

「母ちゃん待ってるから行こ。」

さっきと違ってニコニコの海斗。

２人でお母さんの所へ向かった。