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次の日
ちょっと腫れちゃってる…
病院の先生もちょっと腫れるかもって言ってたもんな。
それにしてもバシャバシャ顔を洗えないのはちょっと不便だな。
顔を拭いてお兄と自分のお弁当と朝ごはん作り。
最初は下手くそだったけど毎日続けてたら大分上手になったんだ。
「おはよー。」
「あ、お兄。おはよ。朝ごはん出来てるよ。」
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「傷どう?あ、ちょっと腫れちゃってるね。痛い?」
「痛くないけど…目立つかな…?」
前髪で隠してはみたけど…。
「んー、やっぱり女子は気になるか。」
「いや、そうじゃなくて…目立っちゃったら海斗が気にするかなって。私は平気なんだけどね。」
お味噌汁を吸いながらニヤッとするお兄。
「なに?」
「いや、恋が芽生えちゃったりするのかなーなんて。」
「は?バカじゃん。ないない。」
「ふーん…ま、Aにはまだ早いか。やばっ、こんな時間!ごちそうさま!お弁当もありがとな。いってきます!」
「行ってらー。」
私もそろそろ行かなきゃな。
立ち上がると「Aー、海斗君来てるぞ!」って玄関からお兄が叫んだ。
「え?なんで?」
ドタドタと走って玄関に行くと「おはよ。」って海斗。
「おはよう。ってなんで?」
「いや、一緒に学校行こうかなって…ごめん。」
また謝ってる。
「遠回りになっちゃうよ。」
「自転車でここまで来たから。家に置かせて貰っていい?歩いて行こうぜ。」
そんな爽やかな笑顔で言われたら断れない。
断る理由も無いんだけど。
「ちょっと待ってて。」
急いで食器を洗って鞄を持って玄関に向かった。
・
2人で歩きながら向かう学校。
「傷、痛い?あ…ちょっと腫れちゃってる。」
しゅんとしちゃう海斗。
「痛みはないよ。腫れも何日かで引いてくるって先生言ってたから大丈夫だよ。わざわざお迎えまで来てもらってごめんね。」
「母ちゃんが行けってうるさくてさ。」
2人で登校するとやっぱり目立つのかチラチラ見られる。
そりゃそうだよね。
出身の小学校も違ったし、今のクラスも違うから全く接点ないんだもん。
「海斗!おはよ。入学早々いきなり彼女出来たのかよ!お前やるなー。」
お友達から揶揄われてる。
私はあんまり気にしないタイプだけど海斗はちょっと恥ずかしそう。
「海斗、もういいよ?」
って言ったけど「母ちゃんに怒られるから。」って。
そのまま登校して靴箱で別れた。
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作者名:あや | 作成日時:2021年4月6日 22時