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元太side
「元太が珍しいじゃん。喧嘩ふっかけんの。」
「ふっかけた訳じゃないけどさ、海人はどう思う?」
「クラとAちゃんの間には2人にしかわからない想いがあるんじゃない?」
好き同士なら付き合っちゃえばいいじゃん。
俺にはわかんない。
「恋愛って難しいんだね。」
「だな。俺も海斗が苦しそうな顔してんの何度も見てるからそんなに辛いなら別れりゃいいのにって思う事あるよ。
でも海斗はAちゃんの事が好きすぎて手放す勇気がまだ無いんだと思うんだ。」
「ま、海斗の気持ちもわかってやってよ。」って肩をポンとして教室に戻って行った。
海人がすごく大人に見えた。
今日のレッスンの時、ちゃかに謝ろう。
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宮近side
「好きな子の幸せを願うならこんなのおかしい。」
元太の言葉にハッとした。
松倉に向ける視線が俺に対する時と違うのも、切ない表情も、はにかむ笑顔も、全部いつか俺のものになると思っていた。
でもそれはずっと変わらなくて。
俺からキスをする事はあってもAから求めてくれる事はない。
それ以上の関係を求めたら受け入れてくれるのだろうか?
拒否されて嫌われたらどうする?
それが怖くてキス以上の事は出来なかった。
こんなに気を使い合う関係なんておかしいのはわかってたけどAを手放す勇気がなかった。
A、ごめん。
もう少しだけ時間ちょうだい。
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作者名:あや | 作成日時:2021年4月6日 22時