・ ページ44
「ちょ、元太！離れろ！」
「なんだよちゃか！やっと会えたのに…。」
「ね、連絡先交換しよ？」
「は？何でだよ？」
「ちゃかには言ってない。」
「元太落ち着け。」
なんか良くわからないけど元太君は自由だし、ちゃかは怒ってるし、海斗は焦ってるし、海君は担降り？引きずってるし、ゆあちゃんは放心状態だし…もうカオス状態。
「あ、もう教室戻らなきゃ。行こ？じゃあまたね！」
2人の手を引いて逃げるようにその場を去った。
「元太君ってテレビで見たまんまだったね。」
「うん…かっこよかった。Aちゃん、ありがとう。」
テレビでもあんな感じなんだ。
ってか私なにもしてないんだけど。
「私、お礼言われるような事してないよ(笑)」
「してるしてる！ジャニタレに名前認識してもらえる事なんて一般市民は普通にありえないからね。」
一般市民て…。
2人の話を聞いてると私はまだ知らない事ばかり。
海斗がアイドルなのも未だに不思議だし、アイドルと付き合ってるって実感もない。
もっとジャニーズの事勉強しなきゃな。
それから元太君は何故か私に懐いて時間を見つけては会いに来る様になった。
「ねぇ、元太君。ちゃんと授業受けてる？私達が休み時間の時は芸能コースは授業中だよね？」
「うん、そうだよ。」
満面のスマイル。
「いや…うん、そうだよ。じゃなくて。」
「ねぇ、何で海斗と付き合わないの？」
「ちょっと！アイドルがそんな事大きな声で言っちゃダメ！」
「海斗とAはそうしそうあい？でしょ？」
「んー、どのかいとかな？」
「松倉海斗に決まってんじゃん。ねぇ、なんで？」
この子…要注意人物だ。
ちゃかと付き合ってる事は海君と海斗しか言ってないけど元太君は知ってんのかな。
「海斗は大切な友達だよ？それに私、お付き合いしてる人いるしね？」
「俺、納得してないから。」
知ってそう。
「元太君が納得してなくてもそうなの。」
「俺、ちゃかも好きだけどやっぱり海斗と付き合って欲しい。それがダメなら俺と付き合って。」
「は？なんで？」
「冗談。でも海斗と付き合って欲しいって思ってるのはほんとだから。その方が海斗もちゃかも幸せだと思う。でもそれはA次第。」
そう言い残して教室に戻って行った。
海斗もちゃかも幸せじゃないの？
私のせい？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 320人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あや | 作成日時：2021年4月6日 22時
