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Aside
花火の時間より少し早く秘密の場所に着いた。
ちゃかとは手を握ったまま。
「花火始まるまで焼きそば食べる?」
「うん。」
焼きそばで結構お腹いっぱいになっちゃって「やっぱり食べれなかったな。」って。
「でも甘いのは別腹だよ。ちゃかも食べるでしょ?」
ちゃかにりんご飴を渡して2人でガリガリ。
2人ともりんご飴を食べ終わる頃にドーンと大きな花火が打ち上がった。
去年を思い出すな…。
私の選択は合っていたのかな。
ちゃかは私の事を大切にしてくれる。
いつもストレートに気持ちをぶつけてくれる反面凄く気を遣ってくれているのがわかって時々申し訳ない気持ちになるんだ。
「A、今なに考えてる?」
「ちゃかの事。」
「え?俺?」
「うん。ちゃかは今幸せなのかな?って。」
「急になに(笑)?」
「私、ちゃかの事ちゃんと好きだよ?」
「……。」
「(仮)は今日で終わり。ちゃんとした恋人同士になろ?」
「A、無理してない?」
「してない。」
「俺、今日振られんのかなって思ってた。」
「ごめん、私がはっきりしないから。」
「いや、俺もはっきりさせるのが怖かった。」
「ちゃか、ごめんね?」
「ごめんよりありがとうの方がいいな。」
「待っててくれてありが…っっ?!。」
急に肩を引き寄せられちゃかの腕の中。
「キスしていい?」
「今年は聞くんだ。」
「あ、去年はごめん。俺もあれはびっくりした。」
「ふふ(笑)何それ?」
「ね、答えは?」
ちゃかを見上げて目を閉じると優しく唇が重なった。
私の頬に触れる手が震えてる。
初めてのキスよりもうんと甘い甘いキス。
「…りんご飴。」
自分の唇をぺろっとして照れ臭そうに微笑むちゃかが愛しいと思った。
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作者名:あや | 作成日時:2021年4月6日 22時