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Aside
お祭りの日
ちゃかを誘ってみたら「誘ってくれるの待ってた。」って。
どこか私に遠慮気味のちゃか。
私がそうさせてるんだよね。
駅で待ち合わせして商店街まで歩く道。
去年は海斗と2人で歩いたな。
「浴衣着てくるかと思った。」
「去年は海斗のママに着せてもらったから…。ワンピース似合わないかな…？」
「すごい似合ってる。俺はこっちのAが好きかも。」
「ありがとう。ちゃかは優しいね。」
「好きなやつにはね。」
ちゃかの言葉はいつもストレートで恥ずかしくなる。
「ね、赤くなんないで。俺まで恥ずかしくなるじゃん。」
「ちゃかのせい。」
「いい加減慣れてよ。」
「無理。」
商店街に近づくにつれて人も増えてきた。
「人も多いし何か食べ物買って秘密の場所行こうか。」
「うん。」
「何食べようかなぁ。
やっぱりりんご飴は外せないよね。
焼きそばも美味しそう。
あー、とうもろこし！
やばっ、イカ焼きいい匂い。」
「そんな食べれんの？(笑)」
「だってどれも美味しそうなんだもん。」
「まぁいっか、買いなよ。俺が奢る。」
「ダメだよ。バイト代あるし大丈夫！」
「俺もお給料もらってるから奢らせてよ。」
「え、お給料あるの？すごい。」
「一応お仕事だからね。」
「んー、じゃあちゃかのは私が出す！それでいいでしょ？」
渋々了承してくれたけどちゃかはりんご飴しか買わなくて結局ほとんど出してくれた。
「あ…海斗。」
「ん？」
金魚掬いの屋台に海斗と浴衣姿の女の子が去年と同じ様にキャッキャ言いながら座ってる。
「お前っ、そんな雑にやったら破れるって！ほらー！！」
「じゃあまちゅがやってよ。」
「仕方ねぇな。うわっ、魚達が俺の方見てる。こわっっ。」
「魚達って(笑)」
海斗、楽しそうだな。
私がぼーっと見てたらちゃかが「A、行こう。」って手を握ってくれて私も握り返した。
「金魚が欲しいなら俺もとってあげようか？」
そんな目で見てたのかな、私。
「ううん、いらない。」
「そっか。」
またちゃかに切ない顔をさせてしまった。
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作者名：あや | 作成日時：2021年4月6日 22時
