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「え…っと…なんで…?」
クールなちゃか君の目からは心の内が読み取れない。
「好きになったから。
いや、違うな。
正確には好きだったから、か。」
突然のキス。
突然の告白。
「ごめん…頭がついていけない。」
「うん。」
うん…?
それだけ?
「えーっと、多分私のさっきの話で私が誰の事好きかは把握してらっしゃいますよね?」
「らっしゃいます。」
ちゃか君ってそんなキャラ?
「じゃあなんで?」
「え?好きだから?」
デジャヴ?
「私、キス初めてなんだよね。」
「だと思ってた。」
「やっぱりファーストキスってシチュエーションとか大事じゃん?」
「花火見ながらとか?」
「うん。あ、いや違うくて。好きな人とがいいしね?」
「あんまり言わないで傷つくから。」
「あ、ごめん。」
ん?
何で私が謝る側?
「じゃあさ、付き合おうよ。
とりあえず(仮)でいいから俺と付き合ってみない?
松倉と付き合うつもりないならいいじゃん。」
(仮)って…。
でも確かに昔の出来事に縛られて私と一緒にいてくれてるならちゃか君と付き合えば安心してくれるかもしれない。
さっきの金魚掬いの楽しそうな海斗。
私と話してると時々切なそうに笑いかけるの気になってたし。
「どうかな?」
「いいよ…(仮)でなら。」
「え?いいの?マジ?やったーー!」
さっきまでクールな感じだったのに急にすごい喜んでくれてちゃか君が可愛く見えた。
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作者名:あや | 作成日時:2021年4月6日 22時