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「へー、Aちゃんって特待コースなんだ。すごいね。」
「全然凄くないよ。皆の方が仕事しながら勉強もして凄いと思う。」
駅までの帰り道、海君とは話しやすくてすぐに打ち解けた。
ちゃか君とはまだほとんど話してない。
私がチラチラ気にしてたせいか「海斗は人見知り発動中なの。気にしないで。」って海君。
「そんなんじゃねぇし…。」
「へぇー、じゃあもしかして…一目惚れしたとか？」
「は？ちゃか、マジ？」
海斗もびっくりしてる。
いやいや、そんな訳ないでしょ。
「ちょっと海人黙れ！違うから。」
なんかしどろもどろしてる。
「ごめんごめん。Aちゃん可愛いもんね。うんうん、いいんじゃない？」
「マジか…。」
「だから違うって。Aちゃん、海人がうるさくてごめんね。」
照れくさそうに笑うちゃか君と初めてまともに喋ってちょっとドキドキした。
いつも歩幅を合わせてくれる海斗は何故か早足で先に行っちゃって「くらがヤキモチやいてる(笑)」って海君。
小走りで追いかけて海斗の隣についた。
「海斗？どうかした？」
「別に。」
別にって…。
「ごめん、重いよね。自分で待つよ。」
「そうじゃなくて…」
小さく溜息をついた後「ごめん。」って。
何のごめんかわからないけど珍しく不機嫌な海斗にそれ以上話しかけられなくて無言で歩いた。
後ろの方から「くらー、Aちゃん、俺らカフェ寄ってくから。じゃあね！」って海君。
2人に手を振って別れた。
電車の中でも無言で窓の外を眺める海斗。
でも海が見える頃には表情も穏やかになっていた。
「海がキラキラして綺麗。」
私が呟くと「だな。やっぱり地元が落ち着くな。」って。
「うん、それに海斗が一緒だからもっと落ち着く。」
海斗を見て言うとしばらくの沈黙の後
「…お前、それ無自覚で言ってんなら相当な小悪魔だぞ。」
小悪魔ってなんだ？
しばらく考えていたら
「マジで心配なんだけど。」
って。
何が心配なのか良くわからなかったけど、とりあえず笑顔で「大丈夫！」って親指を立てたら「全然大丈夫そうじゃねぇ…」って頭抱えてる。
その姿が可愛くて、好きだなって気持ちがまた大きくなった。
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作者名：あや | 作成日時：2021年4月6日 22時
