君と巡る季節 (ページ11)

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翌日からは当たり前だけど海斗が迎えに来る事もなく1人での登校。

やっぱりちょっとつまんない。

なんて思ってたら少し先に海斗の背中。

声をかけようと思って走ろうとしたら私の横をスッと走り抜けて海斗に声をかける仲田さんの姿。

そのまま一緒に正門へと入って行った。

もう怪我も治ったし私といる理由もないもんな…。

なんだか友達が1人減っちゃったみたいな気持ち。

「A、おはよ！何？元気ないじゃん。あ！ガーゼ取れたんだ。だからか…。」

莉子が顔を覗き込んでなんか1人で納得してる。

「だからかって何？」

「別にー。ほらチャイム鳴るから走ろ！転ばないでね。」

莉子に手を引っ張られて教室までダッシュ。

階段ダッシュはキツいよ、莉子。

息も絶え絶えに教室に入ると仲田さんと目が合った。

「玉田さん、おはよう。」

「あ、おはよう。」

今日も可愛い。

私なんて前髪寝癖ついてるよ。

「怪我治ったんだ。これで海斗も解放されるね。」

って。

「それってどういう意味？」

私じゃなくて莉子がキレてる。

「海斗、優しいから怪我させた罪悪感から玉田さんと一緒にいたんだよ。でも治ったならもうその必要もないなって思って。」

「それ海斗君が言ったの？」

「莉子！もう良いから！」

「だって！」

「仲田さん、私もそう思ってる。それに海斗は私の事男友達みたいって言ってたから心配しなくても大丈夫だよ。」

「なんか余裕なのちょっとむかつく。でも私、一回海斗に告られた事あるんだ。あの時は断ったけどもしまた告られたら付き合っちゃおうかな。」

そう言って自分の席に戻って行った。

「可愛い顔して性格悪っ！小学生の時の話でしょ？何マウント取ってんの。」

「莉子っ、聞こえちゃう。海斗の事好きなんだよ。わかりやすくて可愛いじゃん。」

「A、人が良すぎ。そんなだと海斗君とられちゃうよ？」

「待って、私達そんな関係じゃないし。」

「今はね…。」

ニヤリと私の肩を叩いて席に戻って行った莉子。

予言者かなんか？(笑)

そもそも、あの桜の木であんな事が起きなければきっと海斗とは話すことも無かったんだよ。

そして怪我が治った今、元の関係、元の生活に戻っただけ。

寂しくなんてない。

そう自分に言い聞かせた。