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抹本は斬島や佐疫と言った、他の特務室メンバーより鬼となった経緯が少しだけ違う。
他のメンバーは、肋角や災藤が賽の河原で拾ってきたのだが、
抹本は病院にいる“彼”から預けられた存在であった。

彼曰く、『抹本がこの先、生活する上で同性との関係を大切にしていたい』とのこと。
だからといって何処から連れてきたのかすら教えてくれないのはどうかと髄村はその時思った。だが生活を共にしていくと、確かにあそこには置いておけない理由がわかってきた。

あの病院には男性は、多分彼と入院中の患者しかいないだろう。
しかも彼は獄卒でなければ鬼でもない。
なら似た境遇の(ニンゲン)がいる所の方がまだいいと考えたのだろう。

まあ、髄村は彼では無いため考えが合っているかは別の話だが__。
だからと言って、髄村は抹本を差別することなく、
同じように『家族の一員』として、扱うことにした。

今だけでもボクに甘えておけと髄村は言った。
抹本は他の特務室勤務の獄卒より鬼となった時間は遅かった。
だから、戦闘面に関しては他に劣る。

が、その分頭脳はあると、髄村内での評価は高かった。
現に彼は、病院の薬師として働いている。…賃金は、出ないが。

ーーー

抹本を抱え、斬島と佐疫両名の後を追う髄村。
生茂る森━というよりかは、山の中━での夜戦の実習訓練はしたことなかったなと考えながらも、足速にかけていく。

夜道で、尚且つ月も高くまで昇っていない為か視界がすこぶる悪い(・・・・・・)。せめて、色覚だけでも━━と、思ったが生憎何時も愛用している眼鏡は荷物の中に入れたままだった。

いま、頼りになるのは抹本の嗅覚だけだった──。
「髄村さん、ここから11時の方向に…」
「了解。一気に降りるぞ!」

木々が生茂る森を抜け、たっと開けた場所にたどり着いた。
そこは湖の辺りだった。何故こんなところに湖が─それよりも、二人は何処だ?

「あ、居ましたよ…!あそこ」


抹本が指を刺した方向には、カーキ色の軍服を鬼の血液と思われる赤い液体で染め上げていた二人の姿だった。

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設定タグ:獄都事変 , クロスオーバー , 鬼滅の刃   
作品ジャンル:その他
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作者名:あぶりゃーげ | 作成日時:2020年1月7日 15時

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