[鬼滅の刃]此岸を照らす月となれ[獄都事変] (ページ11)

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「うん。これぐらい取れれば大丈夫かな…。ありがと…二人とも」
「礼には及ばない」
「そうだよ、抹本。俺らだっていつも助けて貰ってるし」
そんな時だ。後ろから生身の人間の気配がし、慌てて武器や鬼の死骸を回収、その後湖の中に姿を隠した。

暫くすると、人間と思われる青年の声が聞こえてきた。
足音で察するに相手は二人組だろう。

「今の水の音なんだったんだろうか」
「さぁ？魚の跳ねた音じゃないか？」
「それにしては、音が大きかったような…。にしても、鬼の姿が見えないな。他の隊士がやったのか？」
「どうだろうな。とりあえず周囲を警戒するに越したことはないだろうからさ。」
「そうだな。じゃあ、暫く探してみるか。」

と、二人分の足音は遠くなっていった。

少しだけ時間を置き、水の中から顔を出す髄村。

先程の人影はもう見えなくて、大丈夫だろうと陸へ上がる。
気は少しだけだが緩む。ここでもしばれたらどうなる？

髄村達の仕事に支障を及ぼすだけではなく、此岸との関係を崩しかねないのだ。
そんな時、抹本が有ることに気がついた。

「今の人の子、刀を持っていた」

水面から、彼方を観察していた斬島と佐疫。
ただ、その格好にどうしても違和感があった。
それもその筈、彼らの腰からは見慣れた刀が下げてあったのだから。

「あ、確かに…。でも、なんでだろ…。今のご時世、廃刀令で刀を持つこと事態禁止なのに…。」
「髄村さん。もしかして彼らが…。」
「恐らくだが、彼らが鬼殺隊なんだろう…。」

髄村は確信した。先程の青年たちが纏っていた“水”と思われるもの。それは、昔見た“太陽”とにた感覚がしたのだ。…あくまでも、直感的にだが。

「多分あれが“呼吸”なんだろうね」
「“呼吸”ですか？」
「あぁ、“呼吸”をすることによって、身体を強化しあの硬い鬼の首を飛ばすそうだ。ボクはそう聞いたことがある。」

「確かにそういってたけど…。でも、それだけじゃないと思うんだ」

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