【文スト】その少女、実は______

客人 ページ17

「……ああ来たか」

「はあ……はあ……はい」

息を整えてから中原様の顔を見る

「走ってきたのか」

「早く行った方がいいかと」

「言えば迎えにいくのに」

そう言われて苦笑する

迎えにきてもらったら多分太宰様が嫌がらせをすると思ったので敢えて言わなかった

「所でお客、とは」

「種田長官」

そう言われて私は慌てて髪も整える

「……矢張りあの件かな」

「さあ、俺は詳細はしらねェが」

そう言われて私は手招いてしゃがんでもらって耳でこっそり話す

「あのですね、この間、風に乗って帰ってきたら一般人に見られてしまったのです。慌てて思考を弄りましたがそれがバレたんです」

何故なのかはなんとなくわかる

坂口さんのせいだ

今日別れる前に

「少し失礼します」

と言って触れられた

その時、

「……貴女、一般人に見られたのはまずいですよ。長官が何を言うか……」

と言って頭を抱えていた

「不味いですかね」

そう聞くと

「不味いなァ……大分」

「ですよね」

と言って長官がいる部屋へ向かう

「し、失礼します」

そう言えば朝刊は私に気づき、満面の笑みで

「おお、A……成長しとるな」

と言って孫を見る過去ような目で見られた

だが断言する

その視線は小学生の孫に向けるような目ではない

目の奥に、威厳があった

「まあ座んなさい」

「う……はい」

そう言って長官の正面のソファーに座った

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