【文スト】その少女、実は______

犯人？ ページ12

Aと太宰の後ろをついて歩く

横の敦は静かだ

「敦、何をしょげている」

「国木田さん……僕って甘いんでしょうか」

「そうだな」

「……即答しなくても良いじゃないですか」

「でも……そこがお前の良い所でもあると俺は思うぞ」

「え……」

敦は驚いたように俺を見る

「それに、まだ坂口安吾が犯人だと判ったわけではない。可能性、だ」

「そう……ですね」

そう言いながら先を進む二人を敦は見る

「でも、迷いもなく友達を犯人だと思うんですね」

そう小さく言う

「……別に、私は可能性の話をしてるだけです。それに、人は疑いながらでないと痛い目に合う」

聞こえていたのか、背中を見せたままそう言うA

少しだけ此方を向いた時の表情はとても十八と思えない何かがあった

「……お前の過去に、何かあったのか」

そういえば太宰が振り返り人差し指を口元に当てる

黙っておけと言う事か

黙ったままのAは目を伏せてから前を見る

「初対面の方に話すことはありません」

そう言って少し早足になった

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