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ハリボテ空間 ページ28

一滴二滴三滴

赤い血が、ポツポツポツ

「御主人サマ」

声をかけても反応はない

オレは、機械として扱われてきた

内心ではちゃんとわかってる

オレは人間だ

でも人間じゃない

造られた

人間の細胞を組み替えられた人間じゃない存在

そしてずっと言われ続けた

「森Aを……処理……処理せよ」

御主人はその娘に執着してる

その娘ばかり

オレは?

誰かオレを見てくれてる?

いつしかそう考えるようになった

「出来たぞ……さあ、これを持て」

そう言われて銃弾を幾つか渡される

「こ……コレハ?」

御主人はオレに人間らしさを求めてない

口調も、機械のように……しないと

殺される

「あの小賢しい異能無効化の奴の血液から異能を一部取った銃弾だ」

オレは風を操って風の運ぶ未来も見える異能者の血を貰ったらしい

「これで彼奴を……Aを殺せ」

同じ異能を持ったA

其奴さえ殺せばオレは自由だ

「ショウチシマシタ」

今日も機械を演じて扉へ向かう

扉には背の高い金髪に女が、悲しげにオレを見る

その哀れんだ目が何を表すのか判らない

其奴はオレにこう囁いた

「逃げなさい」

「……」

オレは無視して至って冷静に歩く

その女性は隠していたフードを脱ぐ

その姿は

「……A?」

「いいえ、彼女のモデルです。そして貴方の御主人の娘」

「え……」

「今、私が黒い影と言われてるにはご存知ですね?」

そう言われて素直に頷く

「貴方はそれを利用してA達の身に危険を及ぼそうとしている。私はそれが許せない。でも、貴方も彼女と同じ存在よ」

そう言われて首を傾げる

Aも…

「Aって奴も御主人に造られたのか?」

「そうよ、一度話してみたら?」

それをしたら契約違反

「……無理だ。オレの体には爆弾があるから、無理……」

そう言って走った

御主人は相変わらず実験に夢中で侵入者にさえ気がついていなかった

オレ達が話していたのも、知らなかった

月の奥→←身に迫る



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ミレー - リュカさん» ありがとうございます(*^□^*) お返事楽しみに待ってます(。-∀-) (2019年12月9日 17時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - ミレーさん» ありがとうございます!新作が出来次第またお知らせしますね〜 (2019年12月9日 16時) (レス) id: 38f9297035 (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - 無事完結おめでとうございます(*^□^*) 物凄く悲しいですが最後まで読めて良かったですv(・∀・*) 新作楽しみに待ってます(。-∀-) (2019年12月9日 16時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - ミレーさん» そうですね。続きお楽しみに〜 (2019年12月8日 22時) (レス) id: 38f9297035 (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - 良かった夢主ちゃん無事でした(´;ω;`) どうなるかと思いましたが、安心しました(。-∀-) (2019年12月8日 18時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リュカ | 作成日時:2019年11月8日 19時

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