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「あれ、オッパも待ってたんですか」
mn「遅い」
「すみません」
部屋を出ると壁にもたれかかっていたマネヒョンも一緒に歩き出す
mn「どうせ晩飯まだなんだろうA」
「はい」
mn「どこか寄るか？」
「ダメです残業し過ぎです」
mn「そっくりその言葉Aに返すよ」
「はは」
mn「倒れてからじゃ遅いんだって」
「分かってますよ」
mn「ったく....まだあるのか？」
「あと1つです、すぐ終わらせますから」
mn「そこまで仕事詰めろなんて言ってないぞ」
「分かってます」
mn「KINGDOMのせいか？」
「せいって......」
ああ、
それでだったのか
年が明けてからやけに作業部屋に篭る日が増えたのは
「仕事を早く終わらせるのは良いことです」
cb「ちょっと待って」
「はい？」
cb「まさか.......KINGDOMより先の締切分を今終わらせようとしてんの？」
「はい」
mn「ヤバイだろう」
cb「ヤバイです」
「人を化け物みたいな目で見るのやめてください」
この子の頭の中が一体どうなってるのか
少し覗かせて欲しい
cb「無理しなくていいんだって」
「してないですよ」
cb「本当かなあ」
「曲は作らないといけないですから、その為にここにいますから」
cb「ヨルはそんな事の為にいるんじゃないよ」
間髪入れずにそう言うと
大きい艶やかな宝石のような2つの目がくっと少し丸くなる
あ、怖かったかな
そんな不安も他所にすぐにふわりと目尻を落とす
「はは」
cb「え、笑うの？」
「いやそんな真面目に捉えられると思わなくて」
cb「こっちは大真面目だよ」
「私もです」
mn「やー喧嘩するなよ？」
cb「してないです」
「会社にとって私は2つの使い道があります、作曲家とアイドル」
mn「やー！他のスタッフに聞かれたらどうするんだよ！」
「はは」
「私にとっては些細な存在意義を立てるものなんです」
cb「些細なって...」
「周りまわって私の為です」
何でこの子はこんなにも過小評価するんだろうか
Aはいつも自分だけが違うと言うけれど
そうじゃないんだ、俺たちが追い付かないといけないんだよ
いつか、
この劣等感にも似た愛が伝わるといい
帰りの車内でミドルネーム、セカンドネームについて検索をかけた。
親戚の名前や、祖父母の名前
そして忘れたくない友人、大切な人の名前をつける人が多いそう
きっとAも知らないAを、
また俺が先に見つけた気がした
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作者名：ヨルム | 作成日時：2024年1月25日 13時
