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「...モンガータ」

hj「もん?、え?」

「はは、モンガータ」

hj「モンガータ?」

「家が結構森から近くてその中に小さい湖もあって」

hj「湖の名前?」

「ううん、水面に映る月明かりが道みたいに見えるでしょ」

hj「確かに」


それをモンガータって言うの、と

Aの指差す写真は
MVで使えそうなほど美しく構図も完璧だ




hj「よく思うけどAは本当に物知りだよね」

「そう?」

hj「うん」


何とか現象とか、何とか効果とかそういうことにも詳しい
最早単純に頭が良いんだとそういう感じとも言い難い




「そんな風に考えたこともなかったけど、」

hj「たぶんメンバー全員そう思ってる」

「はは」

hj「羨ましい」

「何で?」

hj「パボラチャなんて言われてるんだよ俺」

「可愛いからいいよ」

hj「全然よくない」

「でも、私が無駄に知識が多いのはね」

hj「無駄にって...」

「それだけ寂しい子どもだったってことだよ」



左に座っているAを見上げると
目線をアルバムに移したまま、何も変わらない




hj「何で、そんなこと言うの」

「それしかすることなかったから」

hj「A」

「事実だよ」

hj「A」

「ん?」


やっと顔を上げてくれたと思うと
やけに、優しい顔をしているなあ

こっちは割としんどいんだけど?





「今はそれなりに良かったと思ってる」

hj「何で......?」

「綺麗な言葉をヒョンジニに教えられるから」


どうしていつもこう、堪らない感情ばかり持ってくるんだろう
この、水冠Aという女の子は





「少しお母さんの気持ちが分かった」

hj「ん?」

「綺麗なものを誰かと共有したかったのかも」

hj「うん、こんなに可愛い子は俺なら世界中に自慢したくなるよ」

「私は可愛くないけど」

hj「可愛いよ」

「私じゃなくて、こっち」


トントン、とさっきまで見ていた教会の写真を指差す



「こういう景色があるんだって皆に見せたかったんだと思う」

hj「俺達に?」

「うん」

hj「そうだと良いなあ」

「いつも、話してるんだよ」

hj「何の話?」

「皆が可愛いって話」

hj「せめて格好いいがいいんだけど...」

「はは」

hj「いつか、連れて行って」

「うん」

hj「約束」

「うん」

hj「約束だって!」

「はいはい」



向き合うとふわふわと腰まで垂れた髪が揺れる
ああ、やっぱり少し眠そうだ





細い小指を繋ぎ止めて、

君と遠い約束を





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作者名:ヨルム | 作成日時:2024年1月25日 13時

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