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HJside





「さすがにこの時間に呼び出すのはどうかと思う」

hj「あははっ」



時計を見ると2:37
Aは遅寝早起きのタイプだから起きてるかと思ったんだよ



hj「まさか本当に来るとは」

「"この写真をメンバーに見せられたくなかったら今すぐ来い" ってどこの小悪党なの」

hj「またそんな言葉どこで覚えたんだよ」

「スンミニ」

hj「キムスンミン....」


いつもより瞬きの回数が多い
眠いのかな、というか




hj「髪濡れてる?」

「乾かしてた途中」

hj「やー風邪引くじゃん」

「ほとんど乾いてる」

hj「薄着だし」

「1分で着くからもういいかなって」



パジャマじゃないだけマシでしょう、そう言いながら
隣に座ると赤ちゃんみたいな匂いがした

Aとは宿舎が別、だけど同じマンションの2階下に住んでいるのだ




hj「はいこれ着る」

「ヒョンジニが寒いでしょ」

hj「いいの」


俺が着ていた柔らかいシャギーニットのカーディガンを被せた


「何でいつもこっちに....」

hj「Aのお母さんはAのことよく分かってるんだよ」

「どういう意味?」

hj「Aのとこに送ったら絶対俺たちに見せてくれないじゃん」

「当たり前」

hj「ほら見てよこれ、何でこんなに可愛いの?」

「赤ちゃんは皆可愛いんだよ」

hj「Aは特別可愛いの」

「はいはい」






まさしく、Aを呼んだのは1枚の写真がきっかけ。




練習が終わり玄関の前に並ぶ大量の段ボールには見慣れたものでその中にフランスからのものが1つあったのだ


他のメンバーには内緒で一旦自分の部屋に持って行って皆が寝付いた頃を見計らい、リビングでその箱を開けた
フランスの焼き菓子もあれば日本のお菓子や調味料...まではいつもと変わらなかったんだけど、





hj「これは....」


あまり大きくないA5サイズの象牙色のアルバム




見ていいやつだろうか


いや、やめておこうか
いや、俺たちの方の宿舎に送られて来たし




好奇心とは恐ろしいもので表紙を捲ってしまったのだ



hj「この子、A....?」



ふわふわとしたお餅のように白いほっぺた小さな鼻に小さな顎、くるくると踊っている黒髪、
天使そのものと言える2歳ぐらいの何とも愛らしい女の子

紙パックのジュースを飲みながら嬉しそうにこちらを見て笑んでいる




ああ、この時はまだ





写真に映る幼いAの瞳は
右も左も、黒曜石みたく輝いていた




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作者名:ヨルム | 作成日時:2024年1月25日 13時

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