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「イエナ」
in「へ」
「急に黙るから、大丈夫？」
もしかして体調悪い？と顔を覗き込まれる
ああ、スタッフさんは他のメンバーのメイクに行ったのかな
in「大丈夫です」
「もうすぐスケジュール落ち着くから」
頑張ろうね、そう言うとふわふわと頭を撫でられる
ヌナはスキンシップを自らする性格ではないけれど
ほんの稀にこんな風に甘やかすように、癒しを給うように頭や頬を撫でてくれる
少しくすぐったくてでも心地良くて
しかも他のヒョンたちにはしてる所は見たことないものだから
自分だけが特別な何かだと思えるのだ
in「.......ヌナの」
「ん？」
in「ヌナの彼氏は僕たちよりかっこよくて、優しくて、誠実で、頼り甲斐があって、面白くて、それなりにお金もあって、あとは、あとは...」
「はは、まだあるの？」
in「ヌナのことを1番大切にしてくれる人じゃないとダメですからね」
「オンニの冗談を間に受けなくても」
in「ダメですからね？」
「あはは、イエニたちよりかっこいい人はなかなか現れないよ」
in「あとこれ」
「わ」
in「お誕生日おめでとうございます」
「...ありがとう」
よく見ると少し垂れている目尻をもっと優しく和げる
ああ、こんな投げやりに渡したく無かったのにな
「イエニもマメだね」
in「それはヌナのことを言うんですよ」
僕がこうやって誕生日当日にプレゼントを渡すのはヌナだけだけど、
ヌナは僕にも、ヒョンたちにも忘れずに毎年誕生日当日にプレゼントを渡している
ヒョンたちはまあ、忙しさに拍車がかかるこの時期だから
事前に渡したりもっと後に渡したり。
さっきチャニヒョンが駄々を捏ねていたけど、数日前にバッグをプレゼントしていたのもちゃんと知ってる
「疲れてるでしょう、いつ買ったの」
in「内緒です」
「おめでとうって言ってくれるだけで本当に十分なんだよ」
in「分かってます、でもあげたいからあげるんです」
「.....ありがとう、おお」
話しながらがさごそとラッピングされていた紙を几帳面に綺麗に剥がし終わり感嘆の声が出ている
これは、本当に驚いた時の声だ
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作者名：ヨルム | 作成日時：2024年1月25日 13時
