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mn「心配してる」
「はい」
mn「本当に、嫌なんだよ」
「はい」
mn「Aは何も分かってないよ」
「理解はしています」
Aは昔から状況把握能力というか、そういうものがずば抜けていて悪く言うとどこか俯瞰的なのだ。
俺たちがその時どんな風に感じているのか考えているのかいち早く察知する
そしてその感情に深く干渉することはほとんどしない
mn「お前にこんな事は言いたくはないけどなあ、世の中悪い奴なんて沢山いるんだ」
「はい」
mn「そんなどうでもいい奴らのどうでもいい言葉を聞いて欲しくない、Aだけじゃなくてお前ら全員」
「はい」
mn「はあ......やっぱり、何も分かってないな」
一切表情を変えずにいるAを呆れながら指差しどうするよこいつ、と言いまたため息を吐いた
ヒョンの気持ちはよく分かる
俺も、弟たち妹たちの傷ついたり泣いたりする姿を見るのは自分のことよりずっと耐えられない
誰よりもAは自分の事に興味がなくて、つまりそれは自分に向けられる他人からの感情にも言えることではあって
そんな感情や視線を気にはしないけど、
ひどく純粋なせいで
素直に受け取ってしまう子だから
bc「Aや」
俺たちは如何にもこうにも愛しい妹から目が離せない
bc「オッパ達はさ......Aに綺麗な言葉を聞いて、綺麗なものを見て、幸せでいて欲しいんだよ」
「分かります」
bc「分かるの？」
「私もオッパたちにそう思ってますから」
揺らぐことのない
灰色の瞳に、残照を集めたような暖かい声に、
泣きそうになった
bc「そっか......」
「本音を言うと少し悩みました」
bc「え？」
「オッパたちが嫌な思いをするでしょう」
bc「何で？」
「私のことを心配してくれるからです」
bc「よく分かってるね」
手を伸ばして隣に座るAの肩を掴めば
いつも通り胸が痛むほど随分と華奢で
この肩に伸し掛かる全てを俺が振り払えたらと思う
bc「Aがしたいことをして欲しいって思うけど」
「けど？」
bc「本当にいいの？」
「はい」
bc「A、」
「ひとりにしないで下さい」
ひとりになんてさせる訳ないのになあ
bc「ヒョン」
mn「はいはい」
bc「Aも一緒に参加しますKINGDOMに」
mn「.....はいはい」
交わることのなかった平行線が
溶け合うように
絡み合っていく
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作者名：ヨルム | 作成日時：2024年1月25日 13時
