透きギベオン (ページ21)

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bc「あれAは？」

hn「ん？さっきまでそこに.....あれ」

lk「1人で行動するなって言ってるのに」

fx「まあまあ、会社の中だし」

しばしばこういう事があった
ふとした瞬間にAがいなくなる

どれだけヒョンたちが目を凝らしていようとそれはまるで魔法のように、
あの子はやっぱり妖精か天使かだろうと考えたりもした

ある日練習後帰り支度をしている時に
Aが見当たらなくなった。

マネヒョンは絶対居場所を知ってるし、ふらりといなくなるのは決まって会社の中だったから俺たちもAにそんなに強く言えなかった

cb「明日撮影だから宿舎に帰れって言ったんだけどな」

in「ヌナの家もう会社だって言ってもいいと思う」

sm「何でAはケータイを携帯しないのかな」

hn「うちにはワーカーホリックが何人いるんだ.....」

作業を始めると時間を忘れて没頭するから困っていたしそんなAが作業部屋にいないとなるとどこにいるか分からないからもっと困っていた

fx「うーん、ちょっと探してくるよ」

hj「ヨンボガ居場所わかるの？」

fx「他の階の練習室とかざっと見てみる」

hj「いなさそうだったらヨンボギも早く帰るんだよ」

fx「うんそうする」

つまり心当たりは全くなかったんだけど。

地下の練習室を出てエレベーターに乗り込み
あまり使われてなさそうな練習室やボーカル室を覗いたけどいなくって

fx「もう帰ったのかな......」

帰るか、仕方ないそう思った時
廊下の1番奥の部屋の光が漏れていた

何の部屋だったか練習室がある階ではあるけど物置の部屋や衣装を保管してる部屋もあるから
まあ一応見ておこうとその部屋に向かった

近付くにつれて
ショパンかはたまたドビュッシーか優しいピアノの音色が聞こえてきて

ドアの間のガラス窓からこっそり中を盗み見ると

静かな世界が、そこにあった。

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