透きギベオン (ページ17)

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撮影は順調に進み
外の寒さにも体が慣れてきた

冬の匂いと校舎の風景

数年前までは当たり前だった景色が
メンバーに加えてスタッフさんが大勢いるものだからどうにもアンバランスに見えてくる

いつか何とも思わなくなる日が来るんだろうか

「オッパはモテモテだったんですか？」

長いダウンコートにマフラーはぐるぐる巻きにして
可愛い顔が半分しか見えていない

cb「そうだよ超が付くほどモテてた」

「さっきスタッフさんが教えてくれました」

ビハインドを撮ってくださってたスタッフさんかな

cb「手袋は？」

「コーヒーがあります」

紙コップを大事に両手で持っていると思ったら
コーヒーだったのか

cb「身体冷やさないようにしないと」

「はいはい」

cb「Aも学生時代絶対モテてただろ？」

「ありえませんよ」

cb「高嶺の花だったのか」

「それもないです」

この顔面を持ってして平凡でいる方が無理がある

「ほとんど学校に通ってなかったので」

cb「え？」

「でも勉強は好きでしたよ」

cb「何で、今まで言ってくれなかったんだよ」

「聞かれなかったから」

ああそうだった
Aはそういうタイプだ

子供っぽさとはかけ離れた落ち着いた性格をしているけど
メンバーの中で1番純粋で素直だ

隠し事もしないし、

ただ

聞けば良かったのか

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