文豪達との青春 【学スト】

奢ってください ページ18

校門をくぐると其処に

「おや……」

「やあAちゃん」

フェージャさんと太宰先輩がいた

「……さ、無視していきましょう」

「ストップストップ！クレープ行くんだよね？」

「そうですけど、太宰先輩は七時限まででは？」

そう言うと太宰先輩はすっと目を逸らした

「……太宰君、僕は正午までと聞いたのですが？」

「あー、えっと……実は、サボった」

そう言った瞬間フェージャさんが大きく溜息をつく

「では教室に戻ってください。僕の方は全員正午までなので帰ります」

そう言って帰ろうとしたフェージャさんの肩に太宰先輩は手を置く

「……奢ってあげるよ」

「……本当ですか？」

「勿論」

「ですが……僕だけというのはこのお二人が先生に告げ口するかもしれませんね」

そう言ってフェージャさんは太宰先輩に背を向けて私達に笑いかける

あ、確信犯か……

「判った！二人の分も払うから〜お願い〜サボらせて〜」

そう言って手を合わせる太宰先輩

「……何で其処まで？」

「Aちゃんと食べたいから」

「下心が大ありですね」

「Aは渡さない」

そう言って鏡花は私の前に立つ

フェージャさんも苦笑いしている

「……だったら教室に戻れ」

「う、嘘だよ！ね、だから一緒に行こうよ」

そう言われてちらりと鏡花を見ると

「……」

凄く断れと言う目をしている

だが、フェージャさんは何を考えているのか分からない笑みを浮かべていた

「フェージャさんは食べたいんですか？」

「はい、日本のクレープを食べてみたいです」

そう言われてちらりと太宰先輩を見る

「……判りました」

「やった〜」

「ただし！絶対にお二人で行動してください。クレープは大丈夫なので離れていてください」

そう言えば二人は首をかしげる

何故なら、この二人、思い切り目立っているからだ

世間一般では超イケメンだから

先刻から女子の目が痛い

目立ちたくないのに……最悪

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