文豪達との青春 【学スト】

好きな人ですか ページ15

授業に戻ると、あまり授業は進んでなかったので助かった

煙草の匂いが付いていないか心配だが、席に座り授業を受ける

授業はあっという間に終わった

机に英語の教材を入れると鏡花が私の方を向く

「Aって……好きな人、いる？」

そう言われて首を傾げる

「好きな人……ですか。一体急に何故？」

「なんとなく」

そう言われて少し考える

「兄には言ってないのですが、一度兄の家に来た方がタイプでしょうか。名前も知らないのですがミステリアスな方でした」

そう言うと鏡花は納得する様に頷く

「ミステリアスな人が、タイプ」

その時、誰かが私の名を呼ぶ

「坂口って言う人がお呼びだよ」

「まあ、ありがとうございます」

そう言って廊下に行くと、眼鏡をかけた男子生徒がいた

「ああ、貴女が澁澤さんですか」

「そうですけど……」

「風紀委員長の坂口安吾です。このクラスの風紀委員長が貴女だと国木田先生から聞いたので」

ああ……そう言えば自己紹介の時に当番を決めてましたね

「そうですね」

「時々、クラスの風紀委員に集まってもらうことがあります。基本先生に言っているので大丈夫でしょう」

そう言って坂口先輩が眼鏡をかけ直す

「それと、あまり綾辻先輩に足を突っ込まない方がいいですよ」

「え……？」

「彼は最重要監視……つまり、不良から更正させようとするのに巧みな言葉でのらりくらりと……ですが、貴女が入ったので大丈夫でしょう。ですから呉々も気をつけてくださいね？あ、あと太宰君も」

追加の様に言われる太宰先輩に心の中で笑いながら頷く

「出来るだけ、そうします」

そう言って教室に戻る

鏡花が心配していたが話をすると安心した様に笑い

「今日のクレープ、楽しみ」

と言った

うん、綾辻先輩との調査はクレープの後にしよう

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