箏曲部の姫は大変らしい

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時間が過ぎるのは早いものであっという間に夏休みになった。合宿は明日からなのだが、此処まで来るのにはとても長い戦いがあった。

なつきに話をしたところなつきが駄々をこね、他の約束を取り付けるまではずっと不機嫌だった。なつきはいい子なんだが一寸難しい事がある。しかしこれ以上に大変な事があった。

合宿に参加することを家族に話したら全力で反対された。うちの家族は心配性が多いから大変だった。何とか合宿に参加することを許可されたが説得するのに数日掛かった。


−翌日朝五時十五分。

学校にバスが迎えに来てくれると言うので、五時半集合の所早めに十五分に来た。その時には既に幸村、真田、柳が到着していた。朝は何時に起きたのだろうか。

「おはよう」
『おはよう、随分早いね』
「お前達の方が先に居ただろう。」
『其れはそうなんだけどさ、他の人まだ誰も来ていないだろう?』
「そうだな。しかし妥当なのでは無いか?集合が五時半なのだから。二十分頃からやって来ると思うぞ。」
『そうだね。ところでその大きな鞄の中に入っているのが箏かい?』
「ああそうだ。結構重いから運ぶのに苦労したが。」
『そうなんだ。じゃあ大切に扱わないとね。』
「そうして貰わないと困る。弦が切れてしまうとどうしようも無いからな。」


その後次々にレギュラーメンバーがやって来たが赤也だけ遅刻していた。赤也は朝に弱いのか。

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