もう四か ページ12
−放課後。
私は何も知らない。青髪美人さんがずっとこっちを見ていたなんて知らない。
田中がお前何かしたのかという目でこっちを見ていたなんて知らない。私は部活に行くんだ。そして早くなつきに会って癒されるんだ。
…ん?何か前から凄い勢いで走ってくる奴がいるぞ。まずい、このままだとぶつかる。というか彼奴足早すぎるだろう羨ましい。
それにしても何であんなに凄まじい勢いで此方へ向かって走ってくるんだ?彼奴は。後ろに何かあっただろうか。
後ろを振り返る。そこには少し離れた先にテニスコートがあった。なんだ。テニス部の奴か。
…私は選択肢を間違えてしまったらしい。考えたり振り向いたりするのは避けてからでも出来ただろう。走ってきた彼奴も後ろに気を取られていて前が余り見えていなかったらしい。とてつもなく驚いた顔をしている。困ったことに避けようと思っても足が動かない。我ながら情けない。もう走っていた彼が目の前に迫っている。
これ、ぶつかっても死なないよな?そんな馬鹿らしい事を考えながら覚悟を決めた。周りの光景がスローモーションに見えた。
ドン、と音がして彼と私がぶつかる。漫画や小説みたいに衝撃が無いなんてことは無い。とてつもなく痛い。小さい頃から物や人にぶつかることはあまりなかったため、ぶつかるのはこんなにも痛いことなんだな、と思いながら視界が黒く塗りつぶされ、自分の体が傾いていくのを感じながら私は倒れた。
A先輩!
誰かが私の名前を呼んでいる、そんな気がした。
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雛鳥 - このお話大好きです!特別編は幼女のお話がいいです!でも、ぶっちゃけどれでもいいです!大好きなので!!楽しみにしてます! (2021年3月27日 19時) (レス) id: 4ab8794890 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 白狐さん ありがとうございます!!頑張ります!!コメントの通知がきたとき嬉しくて目が覚めました! (2021年3月15日 17時) (レス) id: 0b49d3422b (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - 続き楽しみです! (2021年3月14日 18時) (レス) id: f345edd9e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2021年3月6日 14時