咆哮 [文スト]

に ページ3

目が覚めて、少しだけ首を回した。全身が軋んで痛む。



「あ、起きた？」

「……太宰先輩。」


話によると、私の部屋に鍵がかかっていて入ることができず太宰先輩の部屋へ運ばれたらしかった。



「お風呂にでも入っておいで。」

「はい、」





太宰先輩は私に甘いな、と考えながら脱衣所に向かい、服を脱ぐ。三面鏡の前に立つと、背や腹、腕の傷が確認できた。

中原先輩の蹴りで幾つか痣に成っている。


「……まァ、直ぐ治るよね。」



中原先輩は別に私のことを嫌ってああいう教育をしているわけでは無い。

単純に、マフィアで生き残る為に必要な力をつけて欲しい、そして幹部にしたい、という気持ちで教育をしている。

普段はとても優しい人だ。
だから恨みは一切ない。


其れに、幼い頃から傷の治りの早さには自信があったし、孤児院での暴力で痛みへの耐久性には優れている。





扉を開ければ、白い湯気が身体全体を包み込む。心地よさに目を瞑った。







________刹那、顔面にバスタオルが飛んできた。

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