はい、私が死体処理班の者です 2【名探偵コナン】

http://掴めない人 ページ4

「それは心外ですね」


何が面白いのかパツキンが愉快そうに笑う


「自分の事は棚上げですか？」

『は？』


時計の針の秒振だけが聴こえる


「貴女もジンから依頼を受けているでしょう。裏の世界と関わりが無いとは言い切れませんよね」


さしずめ同族嫌悪という所でしょうか、なんてふざけた事をほざくパツキンにしっかり舌打ちかます


「同じ穴の狢同士仲良くしましょうね」

『吊るし上げるぞてめぇ』



二人でガヤガヤやっていると、オープン前に扉を開く奴が他にもいた


「あー！やっぱりお姉さんだ！！」

「お久しぶりです！」

「ゲーセンで遊んだ以来だな！」

『げぇ、ガキ共』


何でここに。今日は学校なのかランドセルをからっている


「今から僕達、コナン君を迎えに行く所だったんです！」

「そうなんだ、気を付けて行くんだよ」


楽しそうにお喋りを始めるガキ三人に少しだけ引け目を感じていた

なんて言ったって、怒濤の説教をして以来だ。ガキ相手に気まずいにも程がある


「...Aさんがね、君達三人と仲直りしたいって」

『その口縛るぞ』


またもや達者な口がガキ三人に大嘘たらし込む


「なんだそういう事かよ、ほら仲直りの握手！」


差し出された三つの手


苦々しく表情を歪めた


『なんで、』


なんで。軽いトラウマ作ったかもしんねぇのに



「あの時お姉さんの助けに来た声聴こえたよ！ドブネズミとか、血祭りあげるとか」

『もっと良いとこ聞き取れた筈だろ』


確かにそこは力強く言ったかもな...いやでももっと良い事言った筈なんだけどな


なんかもういいや...三人の無垢な笑顔にほだされて順番に手を握った






降谷side



彼女はきっと気付いていない

子供達の姿が見えなくなるまで見つめている事を



『てめぇはリンチ決定だな』


振り向き様にリンチ仲間探さなきゃ...と真面目な顔でブツブツ言っているが、そんな姿は何処か嬉しそうに見えた


『あ、呼び出し』


おもむろにスマホを取り出し業務連絡を確認したらしいAさんは席を立つ



「Aさんが早朝のオープン前なのにわざわざ足を運んだのは小言を言いに来たからですか？」

二人きりなら誰にも聴かれませんからね、そう付け加えて

『時間持て余してるって言ってんだろ。勝手に自惚れとけ』

「はは、そうでしたね」


颯爽と身を翻すと扉の向こうに消えてしまった


だが『お邪魔したな』と呟いた辺り本心はまだ見えない



不思議な人だ

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