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「ジョンインオッパ。」
呼ばれた声に振り返る。
MAMAのときにも見かけたし、
近い席だったから少し話も出来た。
けどこうやって会うのは久しぶり。
あの日以来だった。
KI「A、元気？」
「もちろんです。オッパも体調大丈夫ですか？」
KI「腰痛も落ち着いてるし、大丈夫。」
「じゃあ、歌謡祭のステージ楽しみにしてますね。」
小さく笑うAになんかくすぐったくなる。
悟られないように視線を逸らす。
KI「なら、ちゃんと見てろよな。
Aもコラボステージあるんだろ？」
「あります！ダンスコラボです。」
KI「相手がNCTのテヨンって聞いた。」
「です。…ジョンインオッパとのコラボは
いつになったら出来ますかね。」
KI「…ほんと、それ(ため息)」
「今回も話を頂いたときにオッパの名前を
出させて頂いたんですけど…。」
KI「…ダメだったんだ。
AのMVとかダメ？予定ない？」
「オッパ、やけくそ感が。笑」
ケラケラ笑あう。
元どおりだ。
「オンニが色々ごめんなさい。」
KI「いや、ヌナはAを守ってた。
俺らが迷惑かけてたのは事実だよ。」
「ううん。違う。
私が管理できなかったのが駄目なんです。」
KI「…詳しく聞いてもいい？」
「もちろんです。お話します。」
一瞬視線が下がる。
長い睫毛がゆっくり動く。
「聞こえないって結構ナーバスになってしまって。」
KI「いや、普通に不安だと思うよ。」
「音のチェックしてるとそんな気にならないんですけど、
話し声とか、それこそ自分の声も聞こえづらくて。」
KI「うん。」
「病院で薬貰って、すぐに改善されたんです。
でも何十回も踊った曲なのにリズムが取れなかったり、
寝るとき…起きたら聞こえなくなってるかもなんて
不安になって寝れなくなったり。」
色々とマイナスな事ばかり考えてしまって。
そうAは話してくれた。
けど、そんなに深刻だったなんて気づかなかった。
連絡のやり取りでも、ステージでも、
Aが出演していた番組でも、
上手く隠し通していたんだろう。
「オンニはオッパたちの事務所が嫌いなんです。
・・・理由って知ってますか？」
KI「ヌナが事務所にいたのは知ってるけど。」
「じゃあ、聞き流してくださいね。
仕事のセーブしないとなんてオンニが調節して
くれてたんですけど、先生からの提出物が…。」
KI「・・・俺らの曲もそう？」
気まずそうにAは頷いた。
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作者名：V.V． | 作成日時：2017年4月20日 22時
