＿192（D.O） ページ42
ヨンミニヒョンに予約してあると言われたお店に行くと
そこは貸切になっているようだった。
個室に向かう途中にあるグランドピアノが置いてある。
それが綺麗なダークブラウンの色をしている。
ジョンイナに手を引かれるがままに部屋に入る。
するとそこにはもう全員が集まっていた。
練習室を先に出ていたレイヒョンとタオもいる。
最近タオが元気ない。
それを気遣っているのがレイヒョンなんだ。
クリスヒョンに買ってもらった小さなパンダの
キーホルダーをバックに付けていて、今も手で触ってる。
ヒョンが居なくなった時一番怒っていたのはタオだった。
裏切った、と泣きながら言っていたのを聞いた。
今も寝起きのタオが目を真っ赤にしていることもある。
けど、その話題に触れるのは無神経な感じもして
俺を含めてみんな気づいているけど聞かない。
タオが頑張って隠そうとしているのもある。
「タオ、何飲む？」
「ん？？＿＿＿＿サイダーにしようかな。」
「じゃあ、一緒のにしようかな。」
「！！！＿＿お酒飲まないの？」
タオに話しかけるとちょっと驚いていた。
聞かない、のは優しさだと思っていたけど、
それは違うと思う。
繋ぎ止めて行きたいものは自分から掴みにいかないと
いけないってことよく分かって来たから。
「練習きついし、すぐ酔いそうだから。」
「ふふ、このあとAと会うんでしょ？」
「明日はAの誕生日だしね。その予定。」
「いいなぁ〜。タオも彼女欲しい。」
「この間の子は？」
「あの子は・・・なんかちがかった。」
「そうなの？」
「タオもAみたいな子がいい。」
「＿＿＿＿ダメだぞ。」
「知ってる。笑」
タオはボソっと何かを呟いた。
けどそれは中国語だったから意味が分からなかった。
笑っているから大丈夫、だろう。
.
.
.
皆で頼みまくった料理を食べて、
一部酔っ払いが出てきたところでジョンインが立ち上がった。
「ピアノのほう行こう！」
「お、いいねぇ。」
「俺が弾こうか？
ギョンスに向けて一曲。」
「チャニョルは引っ込んでろ。」
「俺はイーシンヒョンのがいいなぁ。」
「ん？俺？」
「ベクもジョンデも酷い。」
泣き真似しているチャニョルを無視してベクと
ジョンデはケラケラ笑いながら歩いていく。
このでかいの残していくなよ。
邪魔になりそうな大きな背中を押して
ピアノのあるほうに向かった。
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作者名：V.V． | 作成日時：2018年6月18日 0時
