Heartbreaker（3） (ページ44)

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『Aちゃん。
ここに来るの、久しぶりやね。』

聞こえて来た声に振り返ると、
そこには悠太君がいた。

２人の隠れ家。

高層ビルの展望室。

入れる時間ギリギリのそこは
広いのに私たち以外には誰も居なかった。

『・・・悠太君。』

『もう、ここには来ないのかと思った。』

『こっそり、、来てるよ。』

『そうなん？笑
なら誘ってくれてもいいのに。』

『・・・・・。』

ちょっと寂しそうな悠太君に
胸がツキンと痛む。

でも、致し方がないこと。

注意された中に「これ」も含まれてた。

不用意に近づかない。

喋らない。

連絡を取らない。

どんどん雁字搦めにされていく。

ただのスタッフだったころの自由さは失われていた。

『テヨンもジェヒョンも、
みんなAちゃんに会いたがってたで？』

『・・・・・・うん。』

『BUNNYのことで大変なん？』

『！！！・・・・うん。』

『Aちゃんのつくる曲好きだから嬉しいけど、
なんや、先越されちゃったな。』

『・・・・っ・・・。』

『僻みちゃうで？なんか・・・
かっこつかないなって。』

練習曲は先輩の曲も多いけど、
作曲家チームの書下ろしの曲もいくつかある。

その練習曲がそのままデビュー曲に、
なんてこともあるそうだ。

私がキムさんに提出している曲が
悠太君たちの練習曲になっているらしい。

来年から本格的始動していくSMROOKIESの公演曲を
増やすためという目的もあるらしい。

『そうだ、外国組増えたの知ってる？』

『・・・うん。この前会ったよ。』

『韓国人の名前の発音も難しいけど、
中国人の名前もずごい難しくない？』

『フフ、、似てる名前多いもんね。』

『・・・・・(笑った)』

『悠太君・・・？』

『なんでもない。
俺らがそのままグループになったら多国籍で
面白いグループになると思わない？』

『うん。リーダーはテヨン君かな？』

『だろうな～、テイルヒョンとか
ちょっとおっとりしてるし。』

みんなのことを話す悠太君は楽しそうだ。

少し話しがでていたのを思い出す。

グループの結束力を大事にしている業界的に
EXOのメンバー脱退、ジェシカオンニの契約終了や
ｆ(ｘ)のソルリさんの活動休止もあって、

メンバー維持の難しさが露呈してしまって、
一度振り出しに戻ってしまった・・・・らしい。

本当のところは何も分からない。

ただ、クリスさんも

ルハンさんも

見送ってしまった自分は何も言えなかった。