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「ヒョン、ダメだよ。」
その声が聞こえて視線をドアに向けると
眉間に皺を寄せてるテミナがいた。
「なんだ、テミナ。」
「ジョンヒョニヒョン。」
「なにもないって。」
「距離が近いの！」
ヌナも危機感持って！なんて言って
テミナはジョンヒョンさんが座っている椅子を引く。
キャスターがついている椅子はすぐにコロコロと
部屋の端っこのほうに動く。
「テミナ、これじゃあ見えないよ。」
「いいんです、聞こえははするでしょ？」
「・・・うん、まあね。」
そういって苦笑するジョンヒョンさん。
テミナは満足そうだ。
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「ヌナは本当は誰よりも一人が嫌い。」
「！！！」
「でも、それを表に出さないよね。」
「・・・っ・・。」
「でも知ってる。
それを利用してるのは僕も一緒だから。」
後から抱きしめられる。
テミナの匂いでいっぱいになる。
人の温もりに触れてしまったから、
優しさをくれる人たちに出会ってしまったから、
もう戻りたくはないんだ。
あの暗い、冷たい部屋には。
あんなに慣れていた一人というものが
ものすごく怖くなっている。
あの日、ヨリ君に言われたのもあって
勇気をだしてギョンスにメッセージを送った。
それは既読になったけど、返事はない。
ついに、見放された？
もう、呆れちゃった？
そんな考えしか思い浮かばなくて、
傷跡しかない左手がジクジクまた痛み出した。
「愛されたいって願うのは罪なんだね。」
「・・・・ヌナ？」
「こんな気持ちにテミナを利用したくない。」
「僕が勝手にやってるのに？」
「そう。テミナはダメ。」
そう言うとテミナを腕の力をゆっくりと抜いていく。
そっと立ち上がって振り返る。
「・・・・ソロの活動頑張ってね。」
「Aヌナ。」
「それに東京ドームの公演も。」
この前、釘を刺された。
�犒�とギョンスのことは許した″と。
その裏を返せば、それ以外は認めないということだ。
テミナとの噂が消えないから。
「僕は諦めが悪いヤツだから。」
「・・・・・テミナ。」
「ヌナのデビューアルバムに関わるの、
なんで彼になったの？僕が会わせたから？」
「・・・・そうじゃないけど。」
「でも、あの日までは知らない人だったでしょ。」
「・・・・・・。」
檻の中の蝶は、、すぐに居なくなる。
だから、それまでは
握りつぶさないで。
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作者名：V.V． | 作成日時：2018年3月23日 23時
